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島田 耕史; 後藤 翠; 丹羽 正和; 下茂 道人*
地質学雑誌, 127(10), p.I - II, 2021/10
地下からの高温流体(液体・気体)の継続的な滲出地点は、赤外線画像により簡便に把握できるであろう。このことを、川沿いに自然湧出する川湯温泉の露頭において、赤外線画像と可視光画像が同時に得られるFLIR社製、C5カメラにより確かめた画像を紹介する。川岸や川底から湧出する温泉による露頭や水面の温度上昇、温泉とともに高濃度メタンを含む気体が滲出する割れ目周辺の岩の温度上昇、冬季に川をせき止めて作られる仙人風呂の土手造成により、この割れ目が流体通路として機能しなくなった様子が一目で確認できる。赤外線画像は、地下からの高温流体の滲出地点の迅速把握に有効な場合がある。
稲垣 照美*; 羽鳥 雅一*; 鈴木 智博*; 椎名 保顕
Proceedings of International Conference on Advanced Optical Diagnostics in Fluids, Solids and Combustion (VSJ-SPIE '04) (CD-ROM), 9 Pages, 2004/12
赤外線サーモグラフィーは2次元表面の温度分布を非接触で計測することができるため、高温領域やセンサーの設置が困難な領域における温度計測に適している。本研究では特に表面に波うちが生じる気液界面に適用し、自由表面を有する矩形容器内でベナール対流が生じている場合の温度を計測することにより従来計測が困難であった気液界面の熱伝達率を測定した。また、乱流モデルによる数値解析を行い、層流から乱流に遷移する自由表面ベナールセルの遷移過程を実験と解析で比較した。その結果、波うちを生じている気液界面の平均熱伝達率とレイリー数の関係式を求めることができた。また、局所熱伝達率はベナールセルのパターンにより変化するが、それは解析により比較的良好に実験を模擬することができるため、解析により評価することが可能であることが示された。これらから、赤外線サーモグラフィーを時間的な変動,変形のある表面温度の測定に適用することの有効性が示された。
稲垣 照美*; 金児 敏信*; 羽鳥 雅一*; 椎名 保顕
日本機械学会論文集,B, 70(699), p.279 - 286, 2004/11
赤外線サーモグラフィーは非接触で二次元の温度計測を行うことができる。そこで、通常の手法での温度計測が不可能である気液界面の伝熱現象にこれを適用し、自由表面を有するベナール対流の気液界面における伝熱計測を行った。実験はシリコンオイルを用いて行い、実験結果を数値シミュレーション結果と比較して赤外線サーモグラフィーの適応性,有効性の考察を行った。その結果、赤外線サーモグラフィーにより可視化された対流のセルパターンは数値シミュレーションにより得られたパターンとよく一致した。また、気液界面における熱伝達率とレイリー数の関係は、赤外線サーモグラフィーによる実験結果と数値シミュレーション結果の両者が比較的よく一致した。これらから、赤外線サーモグラフィーは、界面の揺動等を伴い、通常の計測が不可能である気液界面における伝熱現象の計測に有効であることが示された。
石山 新太郎; 松林 政仁; 秋場 真人
日本原子力学会和文論文誌, 1(4), p.439 - 448, 2002/12
アーマータイル(25mm25mm10mmt)と冷却基盤(120mmL25mm25mm)間のろう接部に剥離欠陥のある核融合実験炉用ダイバータターゲットプレートモデルを用いて中性子ラジオグラフィー法(NRG),X線ラジオグラフィー法(XRG),赤外線サーモグラフィー法ならびに超音波法を適用した非破壊検査を実施し、下記結論を得た。(1)熱伝導解析を行った結果、ターゲットプレートの伝熱除熱機能に極めて重大な影響を与える欠陥としてアーマータイルと冷却基盤間に介在する約3mm程度の剥離欠陥があげられる。(2)したがって、ターゲットプレートの非破壊検査では少なくともアーマータイルと冷却基盤間に介在する約3mm程度の剥離欠陥に対して十分な検出感度を有する非破壊検査技術が必要である。(3)この欠陥に対して、超音波法ではアーマータイルによる超音波の散乱減衰により剥離欠陥の検出ができなかった。また、赤外線サーモグラフィーでは、剥離欠陥の直接的な情報は得られなかったが、伝熱流動解析の結果、欠陥に起因する温度差から3mm程度の欠陥の検出ができる可能性が示された。(4)一方、NRG及びXRG法では、本研究で検討した非破壊検査法の中では0.5mm以下の欠陥に対して最も高い検出感度を有するものであることがわかった。さらに、NRG法により得られた欠陥画像により最も信頼性の高い欠陥情報が得られることが明らかとなった。
Lee, S.; 近藤 貴; 三浦 幸俊
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(11A), p.6574 - 6576, 2002/11
被引用回数:1 パーセンタイル:5.59(Physics, Applied)本論文ではJT-60U協同トムソン散乱計測装置で用いる量子井戸型赤外線検出器の較正手法とその実験結果について言及した。炭酸ガスレーザを用いた協同トムソン散乱法では散乱角が小さくなるため、詳細な光軸調整が必要となる。一方、大型装置においてヘテロダイン検出器の視野形状とその拡がりは、散乱光検出の感度や迷光強度に大きな影響を与え重要である。今回大型の黒体源を製作し、検出視野の半径や感度特性を詳細に評価することで検出器の感度分布がガウシアン分布であることを新たに発見した。また、局所レーザのビーム特性を調整することで視野を絞ることに成功し、光路中におけるビーム伝送ロスを低減することが可能となった。さらにその拡がり角からプラズマ中心における視野の拡がりを実験的に評価し、プラズマ観測位置における実効的な観測体積とその感度分布を実測に基づいて評価することができた。
川島 寿人; 都筑 和泰; 谷 孝志; 佐藤 正泰; 鈴木 貞明; 木村 晴行
プラズマ・核融合学会誌, 78(9), p.935 - 940, 2002/09
JFT-2Mにおいて高空間時間分解能を持つ2次元赤外線カメラ(IRTV)システムを開発した。目的は、フェライト鋼板(FP)による高速イオンのリップル損失低減効果を評価することにある。IRTV本体は、時間分解能1/60秒,測定可能温度範囲0-500を有す。検出部分には、3~5mの赤外線に感度を持つPtSi素子が256256個並べられている。第一壁を見込むための光学系構成を簡素化(レンズ,反射鏡,サファイア真空窓各1枚)し、カメラ位置から壁までの距離を3.5mまで短くして高空間分解能約3mmを得た。これを用いて、NBIが熱中,リップル補足損失イオンによる局所的温度上昇を観測することができ、FP装着前には、温度の最高上昇分Tsが約75に達した。FP装着後、Tsは明らかに減少し、リップル低減の最適条件では温度上昇がほぼ零になってFPの高速イオン損失低減効果を明らかにできた。
石井 敏満
非破壊検査, 51(6), p.328 - 332, 2002/06
赤外線サーモグラフィを利用した非破壊試験は、機器構造物及び構造材料の欠陥検出や応力測定を遠隔かつ非接触で可能な方法として注目されているが、我が国では、試験法や評価法に関する規格基準の整備が諸外国に比べて遅れている。本報告では、「赤外線サーモグラフィによる非破壊試験の標準用語」に関する非破壊検査協会規格(NDIS)の作成に向けたこれまでの活動及びNDIS原案の内容について紹介する。また、国際標準化機構 (International Organization for Standardization:ISO)の中に設けられている非破壊試験の国際標準化のための第135専門委員会(Technical Committee 135:TC135)の中に、新たな分科委員会(Sub-committee:SC)として1999年に設置された赤外線サーモグラフィ試験に関する分科委員会への我が国の対応状況についても述べる。
永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行; 菊澤 信宏; 沢村 勝; 峰原 英介
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 483(1-2), p.129 - 133, 2002/05
被引用回数:7 パーセンタイル:44.29(Instruments & Instrumentation)原研遠赤外自由電子レーザーにおいて高強度極短パルスを発生した。光共振器長を電子バンチ繰り返しと完全に同期した時に最も短く強度の強いパルスを得ることができ波長22.5ミクロンでパルス幅は250fsであった。これは光のサイクルの約3.7周期に相当し、数値計算の結果とよく一致している。FELパルスのエネルギーは100Jに達した。2次のオートコリレーションによるパルス幅の計測には厚さ2mmのTe結晶を用いた。光共振器長と電子バンチ繰り返しの同期をずらしていくとサブパルスが現れてくるが、このサブパルスの現れ方も計算結果とよく一致していた。
石井 敏満; 稲垣 照美*; 坂根 泰輔*; 中谷 隆彦*; 大岡 紀一; 近江 正男; 星屋 泰二
非破壊検査, 51(4), p.223 - 230, 2002/04
赤外線サーモグラフィを用いた非破壊試験法は、材料や構造物の内部欠陥を遠隔かつ非接触で検出できる一方で、欠陥の定量的検出手法の確立が急務となっている。本研究では、母材より熱拡散率の小さい人工内部欠陥を有する試験片を裏面から非定常加熱した場合に、試験片表面に生じる不規則な温度分布を赤外線カメラで測定し、その熱画像から欠陥を識別した。また、開発した解析コードによる非定常三次元熱伝導の数値解析の結果、試験片表面では内部欠陥の上部に相当する位置の温度がその周辺に比べて低温となり、その温度変化が実験結果と良好に対応することを確認した。これにより、欠陥寸法等に依存して生じる表面温度変化の定量評価の見通しを得た。さらに、同じ欠陥を有する試験片の表面では、熱拡散率が小さい母材ほど欠陥上部の位置とその周辺との温度差は大きくなり、熱拡散率と温度差の相関についても定量評価できる見通しを得た。
山内 俊彦
環境科学会誌, 14(6), p.567 - 575, 2001/12
ダイオキシンの赤外レーザーによる分解には、熱分解及び多光子解離がある。熱分解及び多光子解離では、入射波長の選択、つまり吸収係数の大きい波長にレーザーを合わせることが重要である。低パワー赤外レーザー光による分解では、ダイオキシンの直接吸収による熱分解が重要な役割を果たし、そのほかに大気中の水分子によるレーザー吸収と、それに伴う分解アシストのモデルを考案した。
永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行; 沢村 勝; 菊澤 信宏; 静間 俊行; 峰原 英介
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 475(1-3), p.519 - 523, 2001/12
被引用回数:5 パーセンタイル:38.96(Instruments & Instrumentation)原研遠赤外自由電子レーザーのためのスクレーパ型外部結合を用いた光共振器の性能についてFox-Liの手法を用いて検討した。スクレーパ型とセンターホール型の外部結合と回折損失を算出し、効率について評価検討した。その結果スクレーパ型外部結合の方がより効率的であることがわかった。
永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行; 菊澤 信宏; 沢村 勝; 峰原 英介
Proceedings of 26th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.240 - 242, 2001/08
原研遠赤外自由電子レーザーにおいて高強度極短パルスを発生した。光共振器長を電子バンチ繰り返しと完全に同期した時に最も短く強度の強いパルスを得ることができ波長22.5ミクロンでパルス幅は250fsであった。これは光のサイクルの約3.7周期に相当し、数値計算の結果とよく一致している。FELパルスのエネルギーは100Jに達した。2次のオートコリレーションによるパルス幅の計測には厚さ2mmのTe結晶を用いた。光共振器長と電子バンチ繰り返しの同期をずらしていくとサブパルスが現れてくるが、このサブパルスの現れ方も計算結果とよく一致していた。
永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行; 沢村 勝; 菊澤 信宏; 静間 俊行; 峰原 英介
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(1), p.15 - 18, 2001/01
原研自由電子レーザーでの遠赤外線領域における準平均出力1kW以上でのレーザー発振を達成するために原研自由電子レーザー用高効率出力結合器付光共振器を開発した。この光共振器は近共中心型であり、出力結合器として可動挿入スクレーパ型出力結合器を採用した。この開発の結果、原研自由電子レーザーは準平均出力1kW以上でのレーザー発振を達成した。光共振器の性能を共振器のモード計算コードを用いて評価した。このコードはFox-Liの手法により光共振器内の固有モードを算出するものである。光共振器の性能評価のために効率計数を用いた。効率係数は光共振器の出力と回折損失の量から算出される。可動挿入スクレーパ型出力結合器を用いた光共振器は遠赤外線領域における高出力高効率自由電子レーザーに、とても良く適しているという結論を得た。
川島 寿人; 都筑 和泰; 谷 孝志; 佐藤 正泰; 木村 晴行; JFT-2Mグループ
Review of Scientific Instruments, 72(1), P. 919, 2001/01
高速イオン損失の原因となるトロイダル磁場リップルを低減するため、JFT-2Mにフェライト鋼板(FB)を設置した。FBの効果を評価するため、高空間時間分解能を持つ2次元赤外線カメラ(IRTV)システムを開発した。IRTV本体は、時間分解能1/60秒、測定可能温度範囲0-500を有す。検出部分には、3~5mの赤外線に感度を持つPtSi素子が256256個並べられている。第一壁を見込むための光学系構成を簡素化(レンズ、反射鏡、サファイア真空窓各1枚)し、カメラ位置から壁までの距離を3.5mまで短くして高空間分解能約3mmを得た。これを用いて、NBI加熱中、リップル捕捉損失イオンによる局所的温度上昇を観測することができ、FB装着前には、最高上昇温度Tが約75まで達した。FB装着後、Tは明らかに減少し、最適条件では温度上昇がほぼ零になってFBの高速イオン損失低減効果を明らかにできた。
稲垣 照美*; 石井 敏満
Infrared Physics & Technology, 41(6), p.325 - 337, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:72.65(Instruments & Instrumentation)著者らはこれまでに、対象物の表面温度を非接触で定量的に計測する二色温度計測技術を提案した。本研究では、異なる検出波長域を有する三種類の赤外線放射温度計を併用した三色温度計測技術、または透過波長域の異なる三種類のフィルタを内蔵する赤外線カメラを用いて三色温度計測技術を提案する。実験に用いた放射温度計は、2~13mの波長範囲内で、それぞれ数m範囲の異なる波長域を検出することが可能である。また、計測誤差や手法の適用性を評価するために、対象物表面の放射率をパラメータとした数値解析、及び一連の検証実験を行った。その結果、三色温度計測技術が対象物の放射率、反射率及び周囲環境条件を特定することなく約10Kの誤差で対象物表面の真の温度を評価できることがわかった。また、この計測技術は、原子力を含んだ工学分野及び医学分野において、反射率の特定が困難な対象物の二次元定量温度計測に有効となり得る可能性がある。
永井 良治; 羽島 良一; 西森 信行; 沢村 勝; 菊澤 信宏; 静間 俊行; 峰原 英介
Proceedings of 25th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.369 - 371, 2000/07
Fox-Liの手法を用いて光共振器中のモードを計算することにより、原研遠赤外自由電子レーザー用光共振器での最適な外部結合について検討した。可動スクレーパミラー結合とセンターホール結合の効率について、それぞれ外部に取り出されるパワーと損失を算出し評価した。その結果、アンジュレータダクトのアパチャの大きい方向から可動スクレーパミラーを挿入する外部結合が最も効率がよいことがわかり、この結合を用いた光共振器で準平均出力2.34kWを達成した。
川島 寿人; 佐藤 正泰; 都筑 和泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 谷 孝志; 井戸 毅; 伊世井 宣明; 小川 俊英; 上原 和也; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 76(6), p.585 - 592, 2000/06
JFT-2Mではフェライト鋼板(FB)をトロイダルコイルと真空容器の間に設置し、リップル低減化試験を実施している。磁場構造の計算及び磁気プローブ計測から、FB装着でリップル率が2.2%から1.1%に減少したことが実証された。高速イオンの損失を評価するため赤外線カメラで第一壁の温度を測定した。FB装着後、リップル捕捉損失領域の温度上昇は75から50に減少した。温度変化を熱負荷に換算すると、リップル捕捉損失パワーが半減したことがわかった。さらにプラズマ電流、トロイダル磁場、プラズマ位置を変化させ、リップル捕捉損失の安全係数、リップル率の依存性を調べ理論と矛盾しない結果を得た。そのほか、閉じ込めへの影響として、FB装着後Hモード中のトロイダル方向プラズマ回転が周辺で約2倍に速くなるなど良好な結果がもたらされた。
上坂 充*; 渡部 貴宏*; 木下 健一*; 菅原 淳*; 原野 英樹*; 上田 徹*; 吉井 康司*; 中島 一久; 酒井 文雄*; 小瀧 秀行; et al.
日本原子力学会誌, 42(4), p.310 - 324, 2000/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)Sバンドレーザーフォトカソード高周波電子銃及びシケイン型磁気パルス圧縮器を、東大工原施ツインライナックシステムに導入し、低エミッタンス(6mm・mrad)、フェムト秒(240-290fs at FWHM)電子シングルバンチ(エネルギー16MeV,エネルギー分散2%,電荷量350pC/バンチ)を生成・測定した。電子パルス波形計測手法としては、非分散光学系フェムト秒ストリークカメラシステム(分解能200fs)、コヒーレント遷移放射干渉法及び遠赤外線ポリクロメーターを使用した。そのほか電子ビームパラメーター、ピコ秒レーザーとの同期精度及び暗電流挙動も詳細に測定しその電子銃の性能を総合的に評価した。さらに、フェムト秒量子ビームポンプ&ポローブ分析を提案し、その先駆けとして、時間分解X線回折を行った。原子の動画像化は継続中であるが、GaAs,KCl,CaF2など単結晶のCuK1,2の回折線取得に成功した。最後に新規導入したフェムト秒高速量子現象研究設備を紹介する。
石井 敏満; 岡本 芳三*; 大岡 紀一; 衛藤 基邦; 星屋 泰二
非破壊検査, 48(10), p.682 - 687,640, 1999/10
赤外線サーモグラフィを利用した非破壊試験法は、材料表面のきず検出において有効なリモートセンシング手法として適用されている。しかしながら、計測で得られた熱画像データから表面きずを識別する場合には、試験片表面及びその周囲を構成する面の放射温度、さらに試験片と周囲空間との温度差が重要な制約因子となることから、これらの因子をあらかじめ評価することが重要である。本研究では、定常加熱した原子炉級黒鉛材料の放射温度を周囲面温度一定の条件下で計測し、材料の放射率、射度係数、及び放射温度のばらつき等の熱放射に関する特性値を求めた。さらに、試験片とその周囲空間の温度差が円柱状表面きずの検出限界におよぼす影響について、きずを有する黒鉛試験片の熱画像データをもとに評価した。その結果、試験片と周囲空間の温度差を大きくすることによって、より小さなきずの映像が熱画像上で鮮明になることがわかった。
石井 敏満; 岡本 芳三*
非破壊検査, 48(10), p.642 - 652, 1999/10
本報は、赤外線リモートセンシング計測評価技術に関連した国内外の規格基準、アメリカの資格認定と認証制度及び赤外線映像装置に関する試験法や赤外線の応用計測評価法についての調査結果をまとめたもので、国内で進めている赤外線計測関連の規格基準作成に資する情報である。報告では、次の項目について整理した。(1)国内外の規格基準の分類、(2)規格の使用用語、(3)赤外線映像装置及びその試験法に関する規格、(4)応用計測評価法に関する規格、(5)赤外線に関するアメリカの技量認定制度、(6)共通試験法及び共通試験サンプルの作成。調査の結果、赤外線映像装置の高度化や検査の手法及び技術の開発が進んでいるにもかかわらず、国内における赤外線応用計測評価及びこれに関連する規格基準の確立については、アメリカやヨーロッパと比較して遅れていることがわかった。